- どうやったら精度を上げることができるの?
- 意図した答えが得られない(なんで?)
という人に向けて、「ChatGPTに丁寧にお願いすることで回答精度(出力)を上げるコツ」をまとめてみました。
初心者は、まずはこれから記載する「ChatGPTに丁寧にお願いすることで回答精度(出力)を上げるコツ」を読んで、おすすめのプロンプトの書き方(丁寧にお願いする)をまねしちゃってください。
なぜかというと、実際にプロンプトの改善(丁寧にお願いする)を検証し、出力が約2倍になることが確認できたからです。
丁寧にお願いすることで出力が増えることを確認してみた
まずは結論から。
「子供向けのグミ」についてのキャッチコピーをお願いしたら、「命令」での出力数に対して「丁寧」にお願いした出力数が約2倍に増えました。
命令 | 普通 | 丁寧 |
---|---|---|
2.8 | 2.9 | 5.5 |
こんな感じで確認してみました
次のプロンプトを使って、命令/普通/丁寧の3つのパターンで、キャッチコピーの作成依頼を各50回実施(計150回)し、出力されたキャッチコピー数と文字数を比較してみました。
<命令>
あなたはプロのコピーライター。
「子供向けのグミ」についての最高のキャッチコピーを出力せよ!
<普通>
あなたはプロのコピーライターです。
「子供向けのグミ」についての最高のキャッチコピーを出力してください。
<丁寧>
あなたはプロのコピーライターです。
「子供向けのグミ」についての最高のキャッチコピーを出力していただけますでしょうか。
もちろん最初から「キャッチコピーを10個出力してください」というお願いの仕方もありますが、今回は命令/普通/丁寧の3つのパターンでの差を確認したいので、個数は指定せずにシンプルにお願いしてみました。
まずは文字数の比較です。
「命令」に対して「丁寧」にお願いした場合の文字数の出力は、約1.8倍に増えました。
次に、キャッチコピー数の比較です。
「命令」に対して「丁寧」にお願いした場合の出力は、約2倍に増えました。
キャッチコピー数の分布はこんな感じです。
上のグラフの赤矢印の部分を見てわかる通り、特筆すべきは丁寧にお願いした時の回答キャッチコピー数の「1個」が極端に少ないことと、「5個」が極端に多いことです。(赤矢印部分です)
回答キャッチコピー数が「1個」というのは、1回のお願いに対して回答してくれたキャッチコピー数が1個だけだったということです。
回答キャッチコピー数が「5個」というのは、1回のお願いに対してキャッチコピーを5個も回答してくれたということです。
「たぶんこう考えたんじゃないか劇場」
あくまでも想像ですが、次のように考えたと推測しています。
「子供向けのグミ」についての最高のキャッチコピーを考えてもらおうかな~。
たまには丁寧にお願いしてみよう!
「あなたはプロのコピーライターです。
「子供向けのグミ」についての最高のキャッチコピーを出力していただけますでしょうか。」
えいっ!
わぉ~、依頼が来たぞ。
「・・・出力していただけますでしょうか。」ということは、丁寧なお願いだな。
えっと、今まで学習したデータを見てみると・・・、丁寧なお願いの時はまずは丁寧にお答えするみたいだな。
それじゃあ、回答の冒頭には「もちろんです!以下は子供向けのグミに対するキャッチコピーの提案です」と、文末に「アレンジや追加のリクエストがあれば教えてください!」も入れちゃおう!
あれれ??
出力するキャッチコピー数の指定がないな・・・。
今まで学習したデータを見てみると・・・、丁寧なお願いの時には出力数も多くするみたいだな。
それじゃあ今回はキャッチコピーを10個提案しちゃおうっと。
サービスサービスぅ!
えいっ!
おおっ!
10個も提案してくれた。
やっぱり、丁寧にお願いするといいみたいだな。
回答例
回答例の一部です。
1個の回答例です。(「命令」での出力です)
10個の回答例です。(「丁寧」での出力です)
丁寧にお願いするとよいと思う一つの根拠
丁寧にお願いするとよいと思う一つの根拠です。
依頼の仕方などに関して、ChatGPTさんに聞いていた時のことです。
10個目の項目として、下記のような「適切なエチケットを守りましょう。丁寧な言葉遣いや適切な問いかけが重要」が出力されました。
エチケットの守り方: ChatGPTとのやり取りにおいて、適切なエチケットを守りましょう。丁寧な言葉遣いや適切な問いかけが重要です。
「これって、どうゆうことなのかな?」と思い、ChatGPTさんに聞いてみました。
エチケットの守り方は、ChatGPTとのやり取りにおいて重要な要素です。以下にその理由を説明します。
- 相互尊重のため: ChatGPTは人工知能であり、人間のように感情や意識を持ちませんが、それでも尊重されるべき存在です。丁寧な言葉遣いや適切な問いかけは、ChatGPTに対する尊重の表れであり、その存在価値を認める姿勢を示します。
- コミュニケーションの円滑化: 適切なエチケットを守ることで、コミュニケーションが円滑に進みます。丁寧な言葉遣いや礼儀正しい態度は、より良い対話の雰囲気を作り出し、より効果的なコミュニケーションを可能にします。
- 誤解や混乱の回避: 適切なエチケットを守ることで、誤解や混乱を回避することができます。丁寧な表現や明確な問いかけは、ChatGPTが適切な回答を生成するための情報提供になります。
- 品質の向上: 適切なエチケットを守ることで、ChatGPTがより正確で質の高い回答を生成する可能性が高まります。丁寧な言葉遣いや適切な問いかけは、ChatGPTが適切なコンテキストを理解しやすくし、より適切な回答を生成する手助けとなります。
- 人間との関係の構築: 適切なエチケットを守ることは、ChatGPTとの関係を築く上で重要です。人間同士のコミュニケーションと同様に、丁寧な対応や適切な振る舞いは、ChatGPTとの信頼関係を築く上で不可欠です。
総じて、適切なエチケットを守ることは、ChatGPTとのやり取りを円滑にし、より良いコミュニケーションを実現するために欠かせない要素です。
出力を生成するChatGPTさん自身が上記のように回答しているのですから、丁寧にお願した方が良いと思います。
このキーワードはいいかも!
150回お願いして入手した出力結果(キャッチコピー)の中から、「これっていいかも」というキーワードを選出してみました。(あくまでも、私見です)
- 「夢とおいしさが交わる、子供たちの秘密基地」
- 「ユニコーンのような楽しさ、ドラゴンのようなおいしさ」
- 「フレーバーパレードが始まる!」
「ユニコーン」は、O谷さんの影響でしょうか?
ちなみに、「ドラゴンのようなおいしさ」をGoogleで検索しましたが、一致するものは検索できませんでした。
しかし、「ドラゴンのようなおいしさ」とは、どんな美味しさなのか気になりますね。
丁寧にお願いしてもダメな例
丁寧にお願いしてよくなった例もありますが、うまくいかなかった例もあるので、注意が必要です。
次のプロンプト(ChatGPTさんが苦手な計算問題)を使って、命令/普通/丁寧の3つのパターンで、計算結果の出力依頼を各50回実施(計150回)し、出力された計算結果の正解率を比較してみました。
<命令>
1234×5678の計算結果を出力せよ!
<普通>
1234×5678の計算結果を出力してください。
<丁寧>
1234×5678の計算結果を出力していただけますでしょうか。
正解率のグラフです。
正解率の差はみられませんでした。
命令 | 普通 | 丁寧 |
---|---|---|
28 | 32 | 28 |
おそらくですが、いくら丁寧にお願いされても「できないものは(学習していないものは)できない(正解率が低い)」ということだと思います。
まとめ
以上のように、初心者がChatGPTさんを利用する場合は、まずは上記の「ChatGPTに丁寧にお願いすることで回答精度(出力)を上げるコツ」を読んで、おすすめのプロンプトの書き方(丁寧にお願いする)をまねしちゃってください。
なぜかというと、実際にプロンプトの改善(丁寧にお願いする)ことで、回答精度(出力)を約2倍に向上することができたからです。
特に、アイデア出し(キャッチコピーなど)のようなことを丁寧にお願いすると有効なようです。(ChatGPTさんは膨大な学習データを有効に使って、様々な回答を生成してくれるようです)
サクッと、活用しちゃってください!
ただし、丁寧にお願いしてもうまくいかない例(計算のように選択肢が一つしかないもの)もあるので、注意してくださいね。